問1.9
S1*(ω1)=u/(1+r)、S1*(ω2)=d/(1+r)より
ΔS1*(ω1)=(u-1-r)/(1+r)、ΔS1*(ω2)=(d-1-r)/(1+r)
リスク中立確率測度は、
{π(ω1)・(u-1-r)/(1+r)}+{π(ω2)・(d-1-r)/(1+r)}=0
π(ω1)+π(ω2)=1
を満たすので、変形して
π(ω1)={u-(1+r)}/(u-d)
π(ω2)={(1+r)-d}/(u-d)
となり、さらにπ(ω1)>0、π(ω2)>0より、
リスク中立確率測度となるには、d<(1+r)<uである必要がある。
問1.10
取引戦略HA、取引戦略HB、それぞれの割引利得過程をG* A、G* Bとし、
確率測度πとする。
| x= |
┌
│
│
│
│
│
│
│
│
└
|
H1A
H1B
:
HNA
HNB
π(ω1)
:
π(ωK)
|
┐
│
│
│
│
│
│
│
│
┘
|
とする。
|
1).Ax=b、x≧0が解を持つ時 ⇒ 裁定機会が存在
Ax=b、x≧0が解を持つ時
G* A−G* B=π
Σi=1,Kπ(ωi)=1
となる。この時、新しい取引戦略HCをHA−HBとすると、
G* C=π≧0
π≧0で、かつΣi=1,Kπ(ωi)=1より、少なくともある1≦m≦Kで、π(ωm)>0なので、
E[G* C]=Σi=1,KG* Cπ(ωi)≧π(ωm)・π(ωm)>0
よって、HCは裁定機会であり、裁定機会が存在することを証明した。
2).裁定機会が存在 ⇒ Ax=b、x≧0が解を持つ時
裁定機会が存在する時、その1つの取引戦略をH、その割引利得過程をG*とし、
定数λ≡1/{Σi=1,KG*(ωi)}=1/{E[G*]}>0とする。
ここで、HA=λH、HB=0、π=λG*として、xを構成すると
Ax=b、x≧0を満たすので、解を持つことが証明できた。
問1.11
1).リスク中立確率測度が存在する ⇔ yA≦0, yb>0が解を持つ
以下1-a).と1-b).から証明する。
1-a).yA≦0, yb>0が解を持つ ⇒ リスク中立確率測度が存在する
問1.10の定義にさらに、y=(λ, π(ω1), ..., π(ωK))とする。
yA≦0, yb>0が解を持つ時は、
1列目から、E[ΔS1*]≦0
2列目から、E[−ΔS1*]≦0より、E[ΔS1*]≧0
1列目と2列目から、E[ΔS1*]=0となる。
以下奇数列と偶数列から同様になり、すべてのkで、E[ΔSk*]=0
(2N+1)列目から、λ−π(ω1)≦0
yb=λ>0から、π(ω1)≧λ>0となる。
以下最終列まで同様にして、すべてのkで、π(ω1)≧λ>0となる。
従って、yA≦0, yb>0が解を持つ時は、
E[ΔS*]=0
π>0
となり、πはリスク中立確率測度となり、リスク中立確率測度の存在が証明できた。
1-b).リスク中立確率測度が存在する ⇒ yA≦0, yb>0が解を持つ
リスク中立確率測度π、λ≡minkπ(ωk)として、
問1.10の定義にさらに、y≡(λ, π(ω1), ..., π(ωK))とする。
yAを計算し、
1列目は、E[ΔS1*]=0で、≦0を満たす
2列目は、−E[ΔS1*]=0で、≦0を満たす
以下(2N)列目まで同様。
(2N+1)列目は、λ−π(ω1)≦0
以下(2N+K)列目まで同様。
従って、yA≦0である。
また、yb=λ>0であるので、yはyA≦0, yb>0の解であり、解の存在を証明できた。
2).裁定機会が存在しない ⇔ リスク中立確率測度が存在
問1.10より、裁定機会が存在する ⇔ Ax=b、x≧0が解を持つ
従って、裁定機会が存在しない ⇔ Ax=b、x≧0が解を持たない
Ax=b、x≧0が解を持たない ⇔ yA≦0, yb>0が解を持つ
上述1).より、yA≦0, yb>0が解を持つ ⇔ リスク中立確率測度が存在する
以上より、裁定機会が存在しない ⇔ リスク中立確率測度が存在
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